LeapAI編集部

監修:岩田 侑城(株式会社LeapAI 代表取締役CEO)

生成AIで売上は伸びた?1,037人調査が示す「事業成果24.1%」の壁と、越えるための条件

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生成AIで売上は伸びた?1,037人調査が示す「事業成果24.1%」の壁と、越えるための条件

生成AIを業務で使う企業は、全国1万社超への調査で34.5%です。では、売上や利益は伸びたのでしょうか。生成AIを使うマーケター1,037人への調査では、事業成果への貢献を実感しているのは24.1%でした。効率化とKPIの改善は進む一方、売上や利益への結びつけは課題として残ります。数字がここで止まる理由と、効果を社内で説明できるようにするために先に決めるべきことを解説します。

生成AIで売上は伸びているのか?1,037人調査でわかった到達点

マーケティングの現場で生成AIを使っている人のうち、効果が売上や利益まで届いていると答えたのは、約4人に1人でした。作業が速くなった実感は広く共有されています。一方で、企業業績への貢献はまだ限られています。この数字は、成果報酬型マーケティング支援を手がけるMacbee Planetが2026年9月3日に公表した調査によるものです。対象はマーケティング業務従事者1,037人です。

業務効率化とKPI改善までは実感されている

生成AIがどの段階まで貢献しているかを尋ねた設問で、最も多かったのは「業務効率化に貢献」の34.6%でした。次いで「マーケティングKPIに貢献」が27.3%です。KPI(重要業績評価指標)とは、施策がうまくいっているかを測るための中間の指標を指します。広告のクリック率や獲得単価、リード獲得数などが当てはまります。文章や資料の作成、分析の補助、広告運用といった日々の業務では、すでに効果が実感されています。

売上・利益まで届いているのは約4人に1人

一方、「短期的な事業成果に貢献」は15.5%、「中長期的な事業成果に貢献」は8.6%でした。回答数をもとにこの2つを合算すると24.1%になります。売上・利益やLTV(顧客生涯価値。1人の顧客との取引全体から得られる価値)、継続率といった事業成果まで届いているのは、約4人に1人という水準です。

この24.1%は「効いていない」のか「説明できていない」のか

この設問が尋ねたのは、生成AIがどの段階まで貢献しているかの実感です。実際に売上や利益へ効いていないのか、効いてはいるものの業績へ結びつけて説明できていないのか、そこまでは区別していません。調査元も、施策単位の改善で成果が先に表れ、企業業績への波及は今後の課題として残る、という書き方にとどめています。ただし、成果を測る環境や経営層の関与が後回しになっている状況を踏まえると、説明できていない部分が一定量あると考えられます。その数字は後の節で示します。どちらであっても、現場の実感だけでは次の投資を社内で認めてもらう根拠になりません。

なぜ効率化で止まるのか?事業成果に届かない4つの壁

最も多く挙がった課題は「セキュリティ・法務・運用ルールの負担」で32.9%でした。上位4項目のうち3つは社内の体制と運用に関する課題です。残る1つは「AIの出力品質・精度が不安定」の28.8%でした。首位との差は4.1ポイントしかなく、精度の課題も消えていません。この設問が尋ねたのは、生成AIの活用を売上やLTV、ROI(投下資本利益率。投じた金額に対してどれだけ利益が生まれたかを示す指標)といった企業業績につなげるうえでの課題です。

最も多いのはセキュリティ・法務・運用ルールの負担(32.9%)

生成AIの利用には、情報漏洩や著作権侵害、出力内容の正確性など、従来のマーケティングツールとは異なるリスクが伴います。ルールを厳しくしすぎれば現場で使われず、緩めればリスクが上がります。この調整の難しさを課題として挙げた人が、回答者の3割を超えました。

社内ガイドライン・利用ルールの整備は、実施していると答えた割合が33.4%です。整備項目のなかでは最も高い数字にあたります。それでも実施しているのは3人に1人で、ルールづくり自体が終わっているわけではありません。課題として残っているのは、その運用にかかる負担です。

AI人材・ノウハウ不足(32.1%)と出力品質の不安定さ(28.8%)

首位に続くのは「社内のAI人材・ノウハウ不足」の32.1%と、「AIの出力品質・精度が不安定」の28.8%です。使いこなせる人が限られると、活用は個人の工夫にとどまります。部門の成果としては積み上がりにくくなります。出力の確認に時間がかかれば、削減したはずの作業時間も相殺されます。

企業を対象にした帝国データバンクの調査でも、生成AIの懸念・課題は「情報の正確性」が50.4%で最も多く、「専門人材・ノウハウ不足」が続きました。出力の検証と人材の確保は、業種や企業規模を越えて共通する論点だと考えられます。

4番目の「KPI・効果測定の設計が不十分」(26.6%)をどう読むか

「KPI・効果測定の設計が不十分」は26.6%で、上位4項目のなかでは最も低い数字です。ただし、この項目には上位3つと違う点があります。現在整備・実施しているものを尋ねた別の設問を見ると、成果を測るための「計測環境・データ連携」は26.6%でした。「経営層の推進・後押し」は23.4%で、いずれも下位に並びます。課題として挙がっているだけでなく、対策そのものが後回しになっているということです。

調査を実施したMacbee Planetのリリースには、グループ会社であるMacbee Xの代表取締役社長・藤原賢太氏の解説が載っています。藤原氏は、活用範囲を広げること自体を目的にすべきではないと述べています。KPIや成功条件を定め、データを取得・可視化し、社内で説明できる状態まで設計して初めて、継続的な事業貢献につながるという見方です。

選択率だけを見れば、セキュリティ・法務(32.9%)と人材不足(32.1%)のほうが上です。ただしこの2つは、法務や情報システム部門、採用・育成を巻き込む必要があり、マーケティング部門だけでは動かしにくい領域です。順位、整備の遅れ、調査元の見方を合わせると、マーケティング部門が先に手を付ける価値が大きいのは計測だと考えられます。なお、この調査は各課題と24.1%という結果の因果関係までは示していません。優先順位の付け方の一つとして受け取ってください。

BtoCとBtoBで成果の出方はどう違う?自社に近いパターンの見つけ方

同じ生成AIでも、BtoC(消費者向け)企業とBtoB(企業間取引)企業では、成果が表れる場所が違います。自社がどちらのパターンに近いかで、次に整えるべき指標も変わります。回答者は、BtoC企業に勤める人が525人、BtoB企業に勤める人が512人と、ほぼ半数ずつです。

BtoCはKPI改善、BtoBは短期の事業成果として表れる

「マーケティングKPIに貢献」はBtoC企業が30.1%で、BtoB企業の24.4%を5.7ポイント上回りました。逆に「短期的な事業成果に貢献」は、BtoB企業が18.8%で、BtoC企業の12.4%より6.4ポイント高くなっています。BtoCでは施策ごとの指標改善として、BtoBでは短期の事業成果として実感されやすい、という違いが表れています。顧客層によって、成果を実感する段階が異なると考えられます。

使っている領域そのものが違う

直近12カ月に生成AIを活用した領域は、全体では「文章・資料の作成」が45.6%で最も高くなりました。「データ分析・顧客理解」が43.3%、「マーケティング戦略・企画立案」が38.8%と続きます。

BtoC企業で相対的に高いのは、「クリエイティブ生成」の36.4%と「広告配信・運用の最適化」の28.4%です。BtoB企業をそれぞれ4.0ポイント、5.9ポイント上回りました。

BtoB企業で高いのは、「文章・資料の作成」の50.8%と「データ分析・顧客理解」の47.1%です。BtoC企業をそれぞれ10.2ポイント、7.5ポイント上回っています。BtoCは生活者に向けたクリエイティブ制作や広告運用が中心で、BtoBは資料作成や顧客分析が中心です。それぞれのマーケティング活動の中身が、生成AIを使う領域の差にも表れています。

ROIの把握と社内説明はBtoCが先行

投資額と成果をひも付け、ROIを含めて定量的に把握していると答えた割合は、BtoC企業が21.2%、BtoB企業が11.9%で、9.3ポイントの差がありました。社内で報告・説明すべき相手に「定量的な根拠をもって十分に説明できている」または「一部の成果については説明できている」と答えた割合にも差があります。BtoC企業の74.1%に対し、BtoB企業は60.0%で、14.1ポイント開いています。

BtoB企業では「成果の実感はあるが、客観的な説明は難しい」が29.9%で、BtoC企業の19.0%を10.9ポイント上回りました。効果を実感していても、投資判断に必要な客観的根拠へ落とし込めていない状態が一定数あると考えられます。

ROIを説明できないまま投資を増やしていい?88.4%が増額を予定する背景

効果を十分に測れていなくても、生成AIへの投資は増える見込みです。効果測定は道半ばですが、投資意欲は落ちていません。

9割近くが今後12カ月の増額・新規投資を予定

今後12カ月のマーケティング領域で、生成AI関連投資を増やす、または新たに始める予定の人は88.4%でした(「現在は投資していないが、新たに投資予定」の1.5%を含みます)。増額幅では「10%以上20%未満増加予定」が37.5%で最も多くなっています。

ROIを測れていない層でも88.2%、測れている層では97.0%

効果をROIまで定量的に測れていない841人だけを取り出した集計もあります。この841人でも88.2%が増額・新規投資を予定し、30.8%は20%以上の増額を見込んでいます。一方、ROIまで定量的に把握している169人では、増額・新規投資を予定する割合が97.0%、20%以上の増額予定が59.8%でした。ROIを測れていなくても投資は増えています。ただし、測れている回答者のほうが増額幅は大きくなっています。この2つは同時に起きています。

調査元の見立ては「完璧な評価モデルを待たない」

藤原氏は、ROIを完全に把握できるまで投資を止める必要はない、という見方を示しています。まず仮説を立てて小さく試し、何が成果につながったのかを計測すること。その成功を再現できる形に整えてから、投資を段階的に広げること。この順番が重要だと述べています。そのうえで、「AIを導入した企業」と「AIを事業成果として説明し、次の投資判断につなげられる企業」との間で、成果の差がより明確になるのではないか、という見立ても示しました。

なお、調査を実施したMacbee Planetは、LTVの予測とROIの最適化を掲げる成果報酬型マーケティング企業です。計測と投資継続を勧める見立てには、その立場も踏まえて目を通してください。

効果を事業成果として説明できる状態にするには?先に決める3つのこと

先に決めるべきなのは、計測です。マーケティング部門が他部署を待たずに単独で動かせて、しかも整備が最も遅れている領域だからです。何がどこまで整い、何が残っているのかを並べると、その順番が見えてきます。

進んでいる整備と、後回しになっている整備

現在整備・実施しているものとして挙がったのは、「社内ガイドライン・利用ルールの整備」が33.4%、「社内研修・ナレッジ共有」が31.1%、「具体的なKPI・成功条件の設定」が30.3%、「専任担当・推進チームの設置」が30.0%でした。一方、「計測環境・データ連携」は26.6%、「経営層の推進・後押し」は23.4%にとどまります。なお、ここでの26.6%は整備状況を尋ねた設問の数字です。前の節で触れた課題設問の「KPI・効果測定の設計が不十分」26.6%とは別のものです。ルールと研修が先に整い、成果を測る仕組みと経営層の関与は後回しになっている状況です。

1つ目:使い始める前に「比べる相手」を決める

生成AIを新しい業務へ広げる前に、対象とする業務、見る指標、比べる期間または比較対象を1組だけ決めておきます。そうすれば、後から成果を取り出す手間がなくなります。指標は細かくなくてかまいません。制作本数、初稿までの日数、獲得単価のように、すでに社内で使われている数字を選ぶほうが、説明も通りやすくなります。

2つ目:BtoBは「説明の型」を先に用意する

BtoB企業では、成果の実感はあっても客観的な説明が難しいという回答が多かった点を、前の節で見ました。案件が終わってから生成AIの貢献分だけを取り出そうとしても、根拠は集まりにくくなります。着手の時点で、生成AIを使った案件と使わなかった案件を分けて記録する、提案資料の作成時間を案件ごとに残す、といった準備が要ります。指標も、売上そのものではなく、商談化率や提案までにかかる日数のように、生成AIの効果が届く範囲から選ぶほうが現実的です。

3つ目:ルール整備と同じ会議で計測を決める

利用ルールを決める会議には、法務や情報システム部門が同席し、経営層の目にも入りやすくなります。その場で計測まで決めてしまえば、ルールだけが先に固まる事態を避けられます。決めるのは、誰が数字を集めるか、どの頻度で見るか、誰に報告するかの3つです。頻度は「週次の広告レポートに1行足す」「月次の部門会議で報告する」のように、既存の会議へ乗せる形で十分です。ガイドラインの文面へ「利用実績と効果は月次の部門会議へ報告する」と1行入れておくだけでも、計測が宙に浮きにくくなります。ルールづくりと計測の設計は、本来ひとつの議題です。

24.1%を社内資料に使うときに押さえたい3つの前提

24.1%は、全企業の平均ではありません。すでに生成AIを使っている人のなかでの割合です。社内資料へ数字を持ち込むときは、誰に何を聞いた結果なのかを添えないと、議論がかみ合わなくなります。

この24.1%は、誰に聞いた数字なのか

対象は、企業でマーケティング業務に従事し、直近12カ月に業務で生成AIを利用した1,037人です(BtoC企業525人、BtoB企業512人)。調査期間は2026年7月28日から29日でした。IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®」(調査を企画するインターネット調査サービス)の企画による調査です。実施したのは、成果報酬型マーケティング支援を手がけるMacbee Planetです。構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100にはなりません。

母集団の違う調査と単純に比べない

帝国データバンクが2026年3月17日から31日に実施し、1万312社が回答した調査では、生成AIを業務で「活用している」企業は34.5%でした。内訳は「非常に活用している」が4.4%、「やや活用している」が30.2%です。大企業に限ると46.5%になります。活用している企業のうち、「業務への効果が出ている」と答えたのは86.7%でした。全国の企業に聞いた数字か、生成AIを使うマーケター個人に聞いた数字かで、同じ「生成AI」を扱っていても意味は変わります。

「効果86.7%」と「事業成果24.1%」は矛盾しない

帝国データバンクの86.7%は業務への効果を聞いた数字です。Macbee Planetの24.1%は、売上・利益・LTVという企業業績に届いたかどうかを聞いた数字です。尋ねている段階が違うだけで、両方とも成り立ちます。社内で数字を示すときは、母集団(誰に聞いたか)、時点(いつ聞いたか)、成果の定義(何をもって成果としたか)の3点を添えてください。この3点が揃うと、「効率化は進んでいるが、売上や利益への結びつけはこれから」という現在地を、関係者と同じ前提で共有できます。

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出典

この記事の監修者

監修者 岩田 侑城
株式会社LeapAI代表取締役CEO
岩田 侑城

新卒で株式会社リクルートに入社し、HR領域のマーケティング業務に従事。2024年9月に株式会社LeapAIを創業し、生成AIによる業務の自動化とAI動画制作で企業の事業成長を支援している。事業売却の経験を持ち、戦略の設計から実行までを一貫して担う。

※本記事は生成AIを活用して制作しています。内容はLeapAI編集部がファクトチェックおよび編集を行い、 図解・画像は生成AIで作成したもの、または実際のサービス画面を掲載しています。

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